2015/09/11

ポジティブは本当にいいことだらけなのか?

最近、日本ポエム化現象とか、そういった言葉を耳にします。

 

実際、成功セミナーや自己啓発セミナー、心理系のセミナーでも、「ポジティブでいるのがいい」という傾向が強い気がしますね。

 

ポジティブであること自体は、決して悪いことではないし、結果としてポジティブである方が幸せにはなりやすいと私も感じます。

 

しかし、最近では、ネガティブを否定する傾向が強いような気がするんですよね。

 

何事も過ぎるはよくない。

 

私がいつも心掛けていることでもありますが、実際にこんなことがありました。

あるカップルのお話ですが、Aさんが彼氏とちょっともめていて、私のところに相談に来たんです。

彼氏のBさんは別のカウンセラーについていて、そちらで個別に相談を受けているそうです。

Bさんのカウンセラーは私の元後輩ですので、どのようなカウンセリングをしているかは大体想像がつくわけです。

 

そんな中、Aさんが彼と全く心のコミュニケーションができないと訴えてきました。

 

Bさんは、ネガティブなことや嫌なことはさっさと忘れて、次のポジティブなことに目を向ける、というスタンスでした。

一方Aさんは、嫌なことでも真摯に向き合い、それを乗り越えて次へ進むというスタンです。

 

これ、そのままカウンセラーのスタンスなんですよね。

 

私はAさんに「一度Bさんのスタンスに合わせてみてください。そのうえで自分でどれが自分にとって幸せな道なのかを後で選びましょう」とアドバスをしました。

 

今年前半、私はいろんなところに顔を出し、色々と学びました。

その中で、やっぱポジティブ一辺倒のところはしんどかったですね。


ちょうど同じ時期に、友人からネガティブを全否定されて、ポジティブのみの選択を迫られたりと、まあ違和感はずっとあったわけです。

その結果どうなったかは明日のコラムの内容になります(笑)

 

今回、東洋経済オンラインの記事「日本にも蔓延する「ポジティブ思考」という病」(http://toyokeizai.net/articles/-/82238)を読んで、感じていた違和感が正しかったことがわかりました。

 

結果、やるべきことから逃げても、いつかはやらされる。

私が人生で経験したことです。

ネガティブというのは、「問題を乗り越える力」「成長する力」を内包しています。

ポジティブに逃げてしまっては、ぽじてぃであっても成長はしませんし、ネガティブで居続けても、それもまた成長はないわけです。

 

大切なことは、ポジティブもネガティブも両方あって、初めて心のバランスが整うということなのでしょうね。

 

石ノ森章太郎のマンガ「人造人間キカイダー」の中に、これに似たお話があります。

人造人間のジロー(キカイダー)は良心回路が組み込まれた人造人間で、その良心回路が原因でちょくちょく不安定になります。

敵につかまり、ジローを自分の部下にするため、ジローに服従回路を組み込むのですが、この良心回路と服従回路がせめぎ合い、服従回路に負けまいとする思いが、ジローの心を成長させていきます。

 

これはカウンセラー必読の一冊と私は感じていて、興味がある方は是非読んでみてはいかがかと思います。

 

大切なことは、自分が幸せになることで、みんなも幸せになること。

そして、誰よりも苦しみを分かち合えること。

でなければ、人には優しくなれませんからね。

自分だけが幸せになることは、なってみればわかりますが、幸せではありませんよ。


ポジティブもネガティブも、両方人にとって必要なものです。

バランスを大切にしてくださいね。

 


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